この記事では、国民皆保険制度としてみなさんが加入している健康保険、国民健康保険について記載しています。その中で付帯されているとアツいと思う保障内容ベスト4を掲載しています。
この記事を読むことで、公的な健康保険、国民健康保険がカバーしてくれている保障内容、魅力がわかり、民間の医療保険と重複している保障内容を確認することで、過剰な医療保険への加入を防ぐことができます。
私は昨年の6月からパート主婦として働いています。
限られた時間の中で稼げるだけ稼ぎたいという思いから夫の扶養から外れ、国民健康保険に加入しています。
毎月の給料から国民年金と国民健康保険を引いた残りが私の手取り収入となっています。
令和4年6月までは無職だったため、令和5年4月現在支払っている国民健康保険の保険料は毎月5800円です。
国民年金保険料は月額16520円です。国民健康保険と合わせて22320円が社会保険料として収入から支払っていることになります。
病気やケガなどの医療的リスクには、この公的な健康保険を最大限に活用し、自分が加入している健康保険制度を熟知することで、余分な医療保険への加入を避け、公的健康保険と民間医療保険との保障の重複を防ぐことが大切です。
加入している健康保険でどのような保障が受けられるのか。単に医療機関窓口での自己負担が3割で済むだけではなく、充実した付帯保障もたくさんあります。
記載した保障が付帯されている健康保険に加入できる職場なのだとしたら、ほとんどの方には民間の医療保険は不用なのかもしれません。
もしそうなら、不用な保険を解約することで年間何万円もの節約が可能になります。
私が国民健康保険に加入しているのは、パート勤務状況から職場の健康保険と厚生年金に加入できないからです。従業員数が小規模なため、勤務時間の少なさも相まって加入条件に漏れてしまう状況です。
できることなら職場の健康保険に加入したいと思っています。
その理由は下記のような素晴らしい制度がついてくるからなんです。
残念ながら国民健康保険には付いていないものばかりであり、職場の健康保険に加入できればこれらの保障をゲットできます。
私は民間の医療保険に加入していません。国民健康保険を加味して、ライフプランニングしてみたところ、納得できる試算となったための判断ですが、以下ランキングにあるような保障内容をゲットし、ライフプランに加えることができるのであれば、人生のリスクに対して、かなりゆとりが持てます。
勤務先の社長とそのうち面談があるので、社会保険に関する労使合意を結んでもらえないか考えているところです。
それではさっそく、職場の健康保険に付帯されているとアツい保障ベスト4を見てみましょう!
ちなみにこのランキングは完全に私の私見です。ご了承ください。
第1位 傷病手当金
まずは大本命、傷病手当金です。
傷病手当金とは、病気やケガにより、療養のため勤務することができない状態が3日間あったうえで、4日目以降から休んだ日に対して支給を受けられる手当金です。
気になるその額は、人によって違います。
計算方法は、
支給開始日前の1年間における各月の標準報酬月額の平均月額を出します。それを30日間で割ります。出した金額が標準報酬日額となり、その3分の2の額が支給されます。
例えば標準報酬月額が32万円だとします。
1年間の平均も32万円としましょう。
32万÷30日=10666円
10666円✕2/3=7110円(日額)
となります。
充分とは言えないかもしれませんが、貯蓄や配偶者の収入等も加味すれば、生活の不安が和らぎ、治療、療養に専念しても良い金額ではないでしょうか。
支給を受けられる期間は、支給を開始した日から1年と6ヶ月です!
医療の進歩により、入院日数はどんどんと短くなっており、治療による身体への侵襲も軽減されてきています。病気休暇から復職できるまでの日数も短くなっていることを考えると、1年6ヶ月という支給期間は十分だと思います。
しかも、この支給期間は令和4年の1月に改正され、支給開始日から通算しての支給期間であるため、数日だけ復職した場合では、勤務した日数分は支給期間としてカウントされません。
この傷病手当金、国民健康保険には無いんです。新型コロナウイルスによる特例的措置はあったのですが、基本的に国民健康保険には傷病手当金は無いんです。
パートタイムワーカーとしてはショック過ぎます。
会社員として働くのであれば必須と言っても過言ではないこの保障、やはりランキング1位です。
第2位 高額療養費 付加給付
第2位は高額療養費制度の付加給付です。
第1位との差は僅差です。かなり優先してゲットしたい制度です。
高額療養費制度はすでにご存知な方が多いのではないでしょうか。
これは、1ヶ月あたりの医療費自己負担額が、その人の標準報酬月額から算定された自己負担限度額を超えた時、超えた分を給付してもらえるものです。
どれだけ医療費が入院等で高額になったとしても、自己負担は自己負担限度額で済むというものです。
例えば、標準報酬月額から算定した自己負担限度額が8万円だとすると、入院や手術をして退院までに100万円かかったとしても、自己負担額は8万円で済みます。
ちなみに8万円という額はだいたい年収370万円から770万円の方に該当します。正確には自己負担限度額は87430円となります。(詳しくは厚生労働省保健局のホームページをご覧ください。)
これだけでもありがたいのですが、高額療養費制度は国民健康保険にももちろんありますし、入退院を繰り返して毎月約8万円かかることで、自己負担限度額の支払いだけでも大きな負担になってくるでしょう。
そこで付加給付制度がありがたいのです。
残念ながら私の加入している国民健康保険には付いていません。
この付加給付、健康保険の母体(協会けんぽ等)によって保障されている健康保険と無い健康保険があります。
法律で定められた「法定給付」ではなく、組合などの定款で定められた「付加給付」だからです。
高額療養費の付加給付制度は自己負担限度額からさらに給付を受けることができます。
夫の加入している健康保険にはありがたいことに付加給付制度が付いています。その制度を引用して例えていきます。
夫の健康保険では、レセプト(病院が公的機関等に提出する健康保険に関する書類)1件につき、
「標準報酬月額から算定される自己負担限度額が25000円を超える場合、その差額を支給する」
となっています。
例えば自己負担限度額が8万円の場合だと、
80000円−25000円=55000円
となり、55000円の支給を受けることができます。
つまり、もう1段階自己負担限度額を設けてもらっているようなものです。この場合最終的に1ヶ月あたりの自己負担限度額は実質25000円となります。
実質と書いたことには理由があり、付加給付の難点は支給に時間が必要なことです。
附加給付を受けるまでにタイムラグが生じます。
付加給付の額など詳細はもちろん保険制度ごとに違うので、もし加入されている健康保険に付加給付制度があるのでしたら、事務局などに問い合わせて、詳細を確認されることをおすすめします。
毎月25000円の自己負担なら、数ヶ月に渡って入退院を繰り返すような癌治療であっても、生活防衛資金から難なく支出できそうです。
第3位 海外療養費
私は海外旅行が好きで、近いうちに子供を連れて海外旅行へ行きたいと思っています。
そんな海外で怖いのが急な現地での医療費です。日本は国民皆保険制度で手厚く保障されている分、海外の医療費に驚かされます。外科手術を現地で受け、数百万円の請求になるなどで海外旅行保険に加入してから旅行へ出発するのが堅実だと言えます。
健康保険に装備されているかもしれないこの海外療養費は、そんな海外旅行や海外赴任中に病気やケガをした場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。
給付の範囲は、日本国内で保険診療として認められている医療行為に限られます。
もちろん美容整形やインプラントなどは対象外です。
支給金額は日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算されます。そして自己負担相当額を引いた額が支給されます。
デメリットは現地で一度支払う必要があることと、為替リスクがあること。そして同じ治療法でも現地次第で治療費が異なることです。
海外旅行が好きならばこの制度が自分の健康保険に双尾されているか確認し、もし装備されているのであれば、民間の海外旅行用医療保険でフォローしつつ、安心して海外旅行を楽しむことができます。その海外旅行用医療保険も少し負担の軽いプランを選べるようになりますよね。
第4位 保険外併用療養費給付
このランキング企画、ベスト3までにしたかったんですが、海外療養費も保険外併用療養費もどちらも捨てがたく、ベスト4というとても中途半端な数になってしまったのです。
さて保険外併用療養費給付とは、保健医療機関から先進医療等を受けたとき、保険診療にかかる費用の7割を給付してもらえるというものです。
やはり先進医療自体には給付がありません。先進医療費をどうしても保険でフォローしたいということであれば、民間の医療保険しかありません。
しかし、先進医療給付は「特約」でしか契約できないため、先進医療給付単体では医療保険を契約することはできません。入院保障などメインの契約をかわし、その特約として付帯しなければならないため、保険料が月額にすると30代では3000円前後ではないかと思います。先進医療特約だけの保険料は月額にするとたしか300円ほどなんですけどね。
さてこの先進医療。治療を受けるとなれば、その先進医療を受けるために必要な入院費、診察代、投薬費などの本来保険適用のものまで保険外になってしまいます。そのため医療費が数百万円に膨れ上がるなんてことも…
そんなときに活躍するのがこの保険外併用療養費給付です。
先進医療を受けるための、本来保険適用である入院費、診察、投薬、検査に必要な費用の7割を支給してくれます。
保険適用と同じ自己負担が3割になるということです。
私は先進医療を受けることに対して過度な期待を持たないようにしています。
効果が十分に認められた治療法に関しては保険適用となるはずだし、最近だと重粒子線治療など、保険適用となった治療はどんどん増えているからです。
しかし、何があるかわからない人生、先進医療に希望を賭けるときが来るかもしれません。
そんなとき、先進医療にかかる費用が300万円と言われる場合と、この給付のお陰で先進医療費のみの全額負担となり、自己負担は150万円となる場合では、精神的ストレスや治療に挑むまでの判断材料が大きく違うと思うのです。
「先進医療でお願いいたします。」
という後悔無き判断ができるかもしれません。
後悔のない人生にするためにも良い保障だなと思いました。
まとめ
自らが加入している健康保険にどこまでの保障がついているかは健康保険によります。職場の健康保険と言っても共済組合であったり、医療機関だと医師国保という保険だったりといろいろです。
自分の加入している健康保険にどんな保障があり、その保障でどういった給付が受けられるのか、健康で元気なうちにしっかりと確認しておくことが最も重要だと考えます。
健康保険の実力を発揮すべき病気になったとき、初めて健康保険の内容を調べ上げるような余裕は無く、治療に専念すべきだからです。
保障を確認しておくことで、いかなる状況になっても治療や家計の戦略を建てることができます。
体も心も元気なうちに公的な健康保険ではカバーされない部分を、民間保険を使ってカバーしておくこともできます。
私は豊かな暮らしができるように、家計管理の一環として健康保険について勉強しましたが、最も大切なことは、病気やケガをしたピンチのときに、家族を不安にさせることなく、治療や療養に専念して、少しでも早く家庭と社会に戻ることだと思います。
そのためにも国民皆保険制度により受けることができる健康保険という日本国民ならではの恩恵を全部享受し、手厚い保障をお守りに豊かに暮らしたいと再認識しました。
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