パートで訪問看護師をしています。
かねてから職場の社会保険に加入したかったのですが、このたび
「労使合意」を経て加入できるようになりました。
これまでの経緯はこちらの記事をご覧ください。
職員数10数名の事務所で働くパートが社会保険に関する労使合意を締結!?
全国的にも珍しい社会保険の加入方法なので、誰かの役に立てればと思い、記事にしています
前回、社長と面談することに成功し、社会保険に入らせてもらいたいことと、その手段として「労使合意による任意加入」があるということを直接社長に伝えました。
その結果快諾していただき、職場の社会保険に任意加入させてもらうことになったのです。
改めて労使の合意とは、パートなどの短時間労働者の方が社会保険に加入することについて、同意対象者の過半数の同意を得た上で、事業主が管轄の年金事務所に申し出ることで社会保険に任意加入することを指します。
(今回の私の場合、この同意対象者とは訪問看護ステーション職員全員であり、人数は10数人です。その中で任意加入するのは私だけです。他の方々は全員、週の労働時間が30時間を超えており、すでに加入済みです。私の他に何人も任意加入者がいる場合、こんなにスムーズにいかなかった可能性があります。)
そしてつい先日、晴れて保険証を授かりました!
ちなみに健康保険の母体は全国健康保険協会でした。
健康保険証はマイナカードへ一元化されると言われていますので、この保険証とは短い付き合いになるかもしれませんが、愛おしいカードとなりました。
今回の記事では、私(いち従業員)の視点からどのような手続きを経て任意加入ができたのかを記録しています。
労使合意、社会保険任意加入への道②〜書類の作成 社労士様々
労使合意への道①は過去記事に書いていますので、是非お読みください。
さて、職場がお世話になっている社労士さん(社会保険労務士)にさっそく労使合意の手続きを社長が依頼してくれました。
そこで社労士さんに言われたのが、
「労使合意の事例が少なすぎて手続きに時間がかかる。」
「良いことがないので、やめておいた方が良いのではないか?」
です。
正直怒りを感じました。
良いことがない?
従業員の待遇改善は事業所にとって良いことではないのでしょうか?
労使合意を締結していることにより社会保険へ任意加入可能!なんて謳う事業所の求人情報はとても魅力的だと感じます。
軽率な発言だと感じました。
社会保険労務士といえば
「人を大切にする企業」づくりから「人を大切にする社会」の実現を目指す国家資格。
(引用 全国社会保険労務士会連合会ホームページ)
つまり事例が見当たらなくてやり方わからないから、考え直させようってことですか?
従業員が必死の覚悟で労使合意をお願いしたのにそれはないでしょう。と思いました。
しかし、腹がたったのはここまででした。
どうにかして書類を揃えていただいたそうで、手続きは次のフェーズに移りました。
正直、この書類作成フェーズが一番不安でした。
今回の私の事例では、社長が手続きを全て請け負ってくれ、社労士さんへ依頼してくれましたが、社長が労使合意を渋々承諾してくれた場合、書類の準備等はせめて自分でやる覚悟でした。
YouTubeや厚生労働省に問い合わせれば何とかなるだろ。最悪自腹で個人的に社会保険労務士さんへ依頼することまで考えていました。
社長様々、社労士さん様々です。
ちょっとだけ嫌な言葉が聞こえてきたわけですが、手続きが完了した今となっては感謝の気持ちしかありません。
労使合意、社会保険任意加入への道③〜職場の皆様から署名を!
自力で書類を作ろうと考えていましたが、よくよく調べてみると、社会保険への加入手続きは職場を通して行うようで、私が自力で書類を準備していたらこんなに早い加入はできなかったと思われます。もしくは不可能だったのかもしれません。
残念ながらどのような書類を準備する必要があったのかはわかりませんでした。
社長は社労士さんに一任していましたし、私自身は社労士さんとコンタクトとれません。
私が社長と面談したのが令和5年10月であり、11月には私の職場である訪問看護ステーションに署名用紙が届きました。
(訪問看護ステーションとその管理事務所は別の場所にあり、普段経営陣や社長とは会いません。)
署名とは、労使合意を結ぶ際、厚生年金加入者全員と任意加入対象者の過半数以上の合意が必要となります。その合意を示す署名であり、住所や氏名を書いていただきました。
上司から
「署名をしてもらうのは気を使うよね。大丈夫?」
と気遣いのお言葉をいただきましたが、それ以上に健康保険や厚生年金に加入する安堵の方が大きかったです。
ありがたいことに看護師、理学療法士、事務員さん全員が署名してくれました。
任意加入対象者が私だけなので、皆さん関心がなかっただけかもしれませんが、
このご時世、署名することには抵抗があったはずです。バチバチの個人情報なのですから。
皆様本当にありがとうございました。
労使合意、社会保険任意加入への道④〜職場から年金事務所への書類提出
社長との面談から署名まで約3週間ほど。署名が揃うと早々に年金事務所へ書類を提出していただいたそうです。
届け出が終わると私も職場の事務局もあとは何もやることがありません。受理してもらい、加入が完了すれば保険証が届く段階です。
職場から連絡があり、書類を受理してもらえたと聞き、一安心していたのですが、なかなか保険証が届かず、今どんな状況なのだろうと不安でした。
職場の事務局に問い合わせても進捗状況まではわからないとのこと。
そんな時、保険証が届く前に年末調整の時期がやってきました。
昨年まで私の国民健康保険、国民年金保険料は夫の年末調整で控除を受けていました。夫の方が年収が高く、控除額も大きくなるからです。
今年困ったのが、令和5年の何月まで国民年金、国民健康保険加入者であり、何月から健保協会、厚生年金加入者になるのかという問題です。
私の手続きの状況がわからないため、今年の年末調整は11月まで国民年金、国民健康保険加入者であり、先払いしてあった12月以降の国民年金保険料と国保額は新年に還付を受ける見込みで記入しました。もちろん夫の年末調整です。
結果的にいつ厚生年金加入者となったのかは受け取った保険証で判明しました。
保険証に書かれた加入日が11月だったからです。
やっと届いた保険証には後光がさしていました。
緊張と不安だらけで社長にぶつけた労使合意という提案が、このようなカタチになって返ってきてくれました。
率直に嬉しいです。
労使合意、社会保険任意加入への道⑤〜国民健康保険の資格喪失手続きは自分で!
さて、公的健康保険、厚生年金に無事加入できたわけですが、まだ全ての作業が終わったわけではありません。
国民年金保険料と国民健康保険を前納(先払い)している場合、還付を受け、余分となった保険料を返して貰う必要があります。お金が返ってくるのですから、これは楽しいフェーズですね。
先払いしていてもしてなくても国民健康保険を退会するために自治体に申請しなくてはなりません。
新しい保険証が届いてすぐに役所へ向かいました。そこで職場の健康保険に加入した旨を担当課へ伝えると国民健康保険を退会させてくれます。
その際に先払いした国民健康保険料の還付について尋ねると、令和6年1月あたりにハガキが送付されてくるそうです。そのハガキを確認して還付手続きを行うそうです。
新年の楽しみがまた一つ増えました。笑
役所の担当でないことは承知の上で国民年金についても尋ねると、快く年金事務所に問い合わせてくれました。優しい職員さんでした。
年金の方も今移行手続き中とのこと。国民年金保険料の還付についても翌月にハガキが来るそうです。
自分が勝手に先払いしただけのお金なのに、還付ってだけで嬉しいです。笑
還付を全て受ければ無事、社会保険加入手続きコンプリートです。
まとめ
労使合意による社会保険任意加入、ハードルが高いと思いましたが何とかコンプリートできそうです。本当に職場に感謝しています。
看護師として、従業員として頼りにしてくれているのかな。大切にしてくれているのかなと感じることができ、仕事へのモチベーションは向上しました。
国民年金、国民健康保険に加入していたときは
「パートをしていればプライベートとのバランスはいいけど、年金がなぁ。」
「せっかく扶養を外れて働いてるのに配偶者の扶養内で働く人や、専業主婦の時と老齢年金額は一緒かー、なんだかなぁ。」
「大病した時は働けないどころか、生活に支障がでるなあ。その時夫が健全とは限らないしなぁ。」
など、考えることは山ほどあり、事業所の規模に不満を感じるというわけのわからない状況のときもありました。
職場の社会保険に入ることができた今、シンプルに訪問看護を楽しむことができます。純粋にやり甲斐を感じます。
ゆとりを持って利用者さん(患者さん)と接することができます。
仕事のモチベーションははっきりと上がりました。
あと気になることといえば、実際の毎月の社会保険料がいくらになるのかということです。それは新年1月の給料明細を見ればわかります。とても楽しみです。
私の試算とどれほどの差があるのか。また記事にしたいと思います。
今まで知らなかったのですが、今回の私のように社会保険に加入したいのにできないなどのお悩みを相談できる窓口があるようです。
厚生労働省のホームページに
総合労働相談コーナーが掲載されており、そこから各都道府県の相談窓口を検索できるようになっています。参考になさってください。
社会保険は手取り収入が減りますが、万が一入院するような大病を患ったり、将来の年金額が上乗せされたりとメリットの方が大きいと考えています。
しかし、社会保険に入りたくても、入れない人が存在しているはず。
この記事のように労使合意を結んで、社会保険に加入する方法だってあるのです。
この記事が私のように社会保険で悩んでいる方の一助になればと思います。
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