こんにちは。ぽこおです。

父のがんで気づいた保険の落とし穴についてです。
二人に一人ががんになると言われる現代。がん保険に加入している方、加入を検討している方も多いのではないでしょうか。
我が家の父が肺がんと診断されました。
父は20代からがん保険に加入し続けていました。
がんになれば保険金が出る。そう信じて43年間、保険料を払い続けた結果は——
トータルで赤字でした。
この記事では、父の実例をもとに「がん保険に加入した場合の現実」と「我が夫婦ががん保険に入らない理由」を書いています。がん保険を検討している方の判断材料になれば幸いです。
1. 父のがん発覚——「怪我の功名」で見つかった肺がん
父は20代からずっと喫煙者であり、肺がんリスクは非喫煙者よりも常に高い状態でした。
父はがん家系でもあります。父の母、そのまた母もがんで亡くなっており、そういった背景もあって若いころから民間のがん保険に加入していたそうです。
発覚のきっかけは、仕事中の大怪我でした。
水道関係の材料卸売業で現役を続けていた父は、トラックに大型の配管を積み上げる作業中に足を踏み外し、転落。骨盤を骨折する大怪我で入院することになりました。
その入院中、私が主治医にお願いしました。

ついでにあちこち検査しておいてもらえませんか。
このひと言が、父の命を救ったと思っています。
スクリーニング検査で左右両肺に影が見つかり、約6ヶ月後の再検査で肺がんと確定診断。
ステージ1、転移なし。早期発見でした。
この大怪我がなければ、肺がんは発見されないまま放置され、翌年には危険な状態になっていた可能性が高いと考えられます。
まさに「怪我の功名」でした。
2. 43年間払い続けたがん保険、受取額はいくらだったか
父が加入していたのは某大手外資系保険会社の有名ながん保険。
会社の団体割引で契約しており、がんと診断されたら一時金100万円が給付されるシンプルな内容です。
保険料は月々2,100円。年間25,200円。
父が25歳から加入していたとすると、現在68歳。43年間の払込保険料を計算すると——
25,200円 × 43年 = 1,083,600円
今回、初めてがんと診断されて受け取った保険金は100万円。
つまり、83,600円の赤字です。
3. 65歳から半額という落とし穴
さらに問題があります。
この保険には「65歳以上は給付額が半減する」という契約内容がありました。
父は現在68歳。給付額は100万円ではなく、50万円です。
1,083,600円(払込総額)- 50万円(受取額)= 583,600円の赤字
ところが今回、父は左右両肺に発がんしており、2カ所とも原発がんと判断されたため、50万円を2回受け取ることができました。受取総額は100万円。
2つもがんが見つかって、ようやくギリギリ赤字。
悔しいです。
二人に一人ががんになると言われる時代に、高齢になってからがんになる人の方が圧倒的に多いはずです。
それなのに65歳から保険金が半額というのは、あまりにも理不尽だと感じます。
やはり保険は資産運用ではなく、ごく稀な「本当に不運な方」を助けるための仕組みなのだと、改めて実感しました。
4. 我が夫婦ががん保険に入らない理由
父の実例を見て、私たち夫婦の結論はシンプルです。
民間のがん保険・医療保険には加入しない。
その代わりに、生活防衛資金を手厚く積むという方針です。
保険料として毎月2,100円を支払うのではなく、その分を資産運用に回し続けていれば——という父への後悔が、私たち夫婦の決断の根拠になっています。
※生活防衛資金については別記事で詳しく解説しています。

5. では医療費にはどう備えるか
「保険なしでがんになったら怖くないの?」という疑問にお答えします。
私たち夫婦が実際に頼りにしているのは、公的制度と生活防衛資金の組み合わせです。
① 高額療養費制度(+付加給付)
100万円かかる治療でも、健康保険の「高額療養費制度」により、月間の自己負担額には上限が設けられます。
さらに勤め先の健康保険に付加給付制度があれば、自己負担はさらに軽減されます。
私の職場の場合、付加給付があることで月額25,000円の自己負担に収まります。
全額自己負担となる先進医療を使わない限り、入院中の食事代や差額ベッド代などが追加になる程度です。
なお現在はマイナンバーカードで窓口精算することで、支払いが自己負担額のみとなる運用が始まっています。
② 傷病手当金
闘病が長引いて長期休職が必要になった場合は、健康保険の傷病手当金が支えになります。
(こちらは国民健康保険にはない制度です。)
傷病のために働けなくなってから4日目以降、標準報酬日額の3分の2が最長1年6ヶ月間給付されます。
例えば標準報酬月額50万円の方であれば、1日あたり約11,110円。療養中は支出も減るため、投資・貯蓄への積立をいったん止めれば、この給付で生活は成り立ちます。配偶者に収入があればなおさらです。
③ 生活防衛資金(我が家は約300万円)
入院費・治療費の実費負担分は生活防衛資金から賄います。
我が家の生活防衛資金は現在約300万円(年間生活費の約9ヶ月分)。
保険適用の治療で済む場合、差額ベッド代なしであれば1年入院しても対応できる規模です。
可能性は低いですが、先進医療が必要になっても、ある程度は対応できます。
6. まとめ
父のがん保険の実例をまとめます。
43年間の払込保険料総額→1,083,600円
受取保険金(2カ所発がん・65歳以上半額)→1,000,000円
差引損益→▲83,600円(赤字)
がんになっても赤字。2カ所同時に発がんしてようやくトントン。
保険はお守りではなく、金融商品です。「なんとなく不安だから」ではなく、自分の家計に合わせて数字で判断してから契約を考えるべきだと思います。
父が若いころから保険料として支払ってきた25,200円/年を、もし堅実な資産運用に回し続けていたら——そう考えると、やりきれない気持ちになります。
大病を患ったとき、家族が本当に必要なのはお金の心配をしないことです。
保険金を待つのではなく、日頃から家計を盤石にしておくこと。それが私たち夫婦の答えです。
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