今回は二世帯住宅を建てる時に知っておきたい、
「二世帯住宅のタイプ」
をご紹介します。
専門ブログを運営する者として勉強は欠かせず、その一環として読んだ書籍
「二世帯住宅という選択」をもとに
私の意見を含めて記事を書いています。
この記事を読むことで、自分の環境にあった二世帯住宅のタイプがわかります。
また、二世帯住宅を考えていなかった方にも、二世帯住宅が選択肢の一つとして浮上するきっかけになるかもしれません。
ネガティブのイメージが多い親世帯との同居。
生活の基盤と言える住居を快適にすることで、豊かな生活を実現しましょう。
なお、記事の詳しい内容は
書籍「二世帯住宅という選択」をご参照ください。
タイプ① 独立二世帯
まずは世帯が完全に独立している独立二世帯住宅です。
一つ屋根の下ですが、浴室やトイレ、キッチンといった生活に欠かせない設備が全て2世帯分あり、朝から晩まで顔を合わせることなく生活できる構造を言います。
間取りとして多いのは、階で世帯を分ける方法です。
足腰が弱くなってくる親世帯が1階で、
子世帯が2階といったケースが多いようです。
敷地面積が広くとれる場合だと、同じ1階に2世帯分の生活スペースを設けます。
日常的な生活では、自分の世帯の中だけですべての用が足り、共用部分はありません。
ですから玄関も別であり、同じ建物でも顔を合わせずに1日が終わるような生活が可能です。
2住戸だけのマンションのような形です。
独立二世帯の二世帯住宅を建てる場合、内部で各世帯を行き来できるようにするかがポイントとなります。
内部にそのような通路を設けた場合、家事協力や介護の場合に重宝されます。
内部で行き来できなくする場合、その住宅は
「長屋」となるそうです。
その場合、各世帯を分ける壁は界壁と呼ばれ、界壁は耐火性能や遮音性について、規定以上の性能を求められることになります。
これは知りませんでした。
タイプ② 共用二世帯
我が家はこれに該当します。
キッチンや玄関、浴室など、どこかを共用していて、完全に2戸に別れていない形がこの、
「共用二世帯」です。
共用する設備によって特徴が異なりますが、
我が家の場合は玄関と浴室、洗濯機を共用しています。
洗濯機に関してはこれまでにいろいろとありました。
良ければ過去の記事をご覧ください。
くすりと笑ってもらえれば幸いです。
うちの共用二世帯住宅は増築により完成したものです。
増築の設計段階で決まっていたことといえば、
「朝は顔を合わさないで済むようにすること。」
間取りとしては、玄関を入って左側が親世帯スペース。
右側が私達子世帯スペース。
正面が洗濯スペースとさらに奥に脱衣所と浴室が続きます。
書籍には浴室を共用した場合、節水にはなりますが、一人あたり30分の入浴を6人が行った場合、連続して入浴しても3時間かかってしまうというデメリットが紹介されています。
我が家は子供がまだ小さいこともあり、一緒に入っているので、長時間お風呂に入れないもいった悩みはありません。
まとめて入れるように少し大きめの浴室を作るというのも、快適に暮らす良い方法かもしれません。
中の設備を共用していても、玄関は各世帯で分けているケースがあります。
書籍にもありますが、玄関って意外に物音が激しいスペースです。
親世帯の出勤時間って早いんですよね。
義父も6時30分頃に出勤していきます。
その時間、保育園の長男はまだ寝ています。
玄関から私達の寝室は、寝室の押入れを隔てて隣に位置しているので、義父出勤時の物音は響いてきます。
その物音で長男が起きてしまうこともあります。
しかし、もし玄関を分けていたら、全く物音がしませんから、ストレスはたしかに改善されるなと感じました。
我が家は各世帯に勝手口を設けています。
義父ならそこから出勤していくことも可能なのですが、履物の保管方法など鑑みて玄関から出勤していくのだそうです。
我が家では、キッチンは各世帯で設けており、3食別々でとっています。キッチンを分けるのは増築当初の絶対条件でした。この食事に関しても色々辛い思いをしました。食事は初めから別々にすることをお勧めします。
共用二世帯住宅を選択する場合、
住居のどの設備なら共用できるのか、また、共用することでどんなメリットデメリットが生じるのか、建築、増築計画の段階で、家族会議を設けて検証することをおすすめします。
タイプ③ 融合二世帯
ほとんどが共用スペースであり、夕食をとるのもみんな一緒でメインキッチンは1箇所。
簡単な造りのサブキッチンがどちらかの世帯に設置されている形を「融合二世帯」といいます。
融合二世帯は娘夫婦との同居に多いスタイルです。
子世帯は共働き。親世帯が孫の世話をしながら夕食を作ってくれている場合、メインキッチンは親世帯のスペースに設けられます。
子世帯の夫としては、気を使わずに好きなテレビも見たいし、ゆっくりと晩酌もしたくなります。
このような時にサブキッチンが活躍するのです。
サブキッチンとは湯沸かしや、簡単な調理ができるミニキッチンで充分であり、シンクと1口コンロがあれば快適です。
サブキッチンを子世帯に設置することで、快適さが向上します。
LDKですら共用スペースである同居性の高いご家庭では、このサブキッチンがもたらす魅力は大きなものとなります。
タイプ④ 1体型住宅
これは完全同居に該当する間取りです。いわばサザエさんの暮らしです。
私見ですが、この形も娘夫婦との同居に多いタイプではないでしょうか。
同居性の最も高いタイプです。
住宅設備はすべて共用とはいえ、親世帯と子世帯でゾーニングを行うことで快適な暮らしが可能です。
しかし、同居性が高く、このタイプを採用しにくいことは間違いありません。
まとめ
二世帯住宅のタイプを4種類見てきました。
家族の性格、生活様式によって、どの二世帯住宅が適合しているのか、よく考える必要があります。
二世帯住宅は設備が多い分、建築費が割高になりやすく、一度建ててしまえばやり直しがききません。
最も難しく思うのが、親世帯との同居は、始めて見ないとどうなるかわからないところです。
夫も、義母の性格にクセがあることは認識していても、新たな発見に至った義母の個性の多さに戸惑いを隠しきれていません。笑
さらなる加齢も加わり、同居を始めたころの義母と性格も変化してきています。
これはうちに限ったことではないと思います。
話がずれましたが、二世帯住宅の間取りを決めることは簡単ではありません。
書籍には
「独立は共用を兼ねる」とあります。
独立させておいた方が選択の幅が広がるということです。
例えば浴室も2つ作ったが、共用でよければ、基本的には1箇所どちらかの浴室のみを使用すれば節水になりますし、
仕事の帰りが遅くなって、入浴の物音が申し訳ないという場合は、そちら世帯の浴室を使用することができます。
「迷ったなら独立して作っておく」
という作戦の方がストレスなく快適な暮らしにつながりやすいのかもしれません。
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