田舎暮らし同居専門ブログを運営する者として、勉強になる本を読みました。
「二世帯住宅という選択」
著者は松本吉彦さんで、旭化成ホームズ株式会社くらしイノベーション研究所、二世帯住宅研究所所長をされている方です。
旭化成ホームズといえばヘーベルハウスですね。
二世帯住宅研究所なんてあるとは知りませんでした。2013年に発行された本なのですが、二世帯住宅に関する本を初めて見ました。
同居を始める前の方や、二世帯住宅を建てようか検討中の方におすすめの本です。
うちは約10数年前に二世帯住宅に改築(増築?)したのですが、その前に読んでいたらとても参考になったと思います。
今回はこの本を読んで勉強になったことを、私の二世帯住宅生活と照らしあわせて紹介したいと思います。
この記事を読んでいただくと、親世帯との同居で大切な注意点や実例、現実を知ることができます。
著書「二世帯住宅という選択」とは
図書館で借りてきました。
200ページ程の本です。
同居生活専門ブログ運営者として勉強は欠かせず、同居に必須である住宅という視点から、この本を読みました。
内容はハウスメーカーが運営する研究所の著書だけあって、「二世帯住宅のススメ」的な本でした。
ですから、同居を失敗した事例や、二世帯住宅の不便なところなどはでてきません。
しかし、前半は親世帯と同居する上でとても参考になることが書かれていました。
それが、親子同居の7原則です。
親子同居の7原則とは!?
これは二世帯住宅研究所がまとめた、二世帯住宅における親子同居の心構えです。
同居するかしないかは、誰とするか、家族の状況によって選択されるべし。
お互いを尊重しあい、相互不干渉を原則とした協力関係を築くべし。
お互い可能な限り依存せず、身体的、精神的、経済的に自立するべし。
集まって住むためのルールは通常の家族以上に大切!家族関係に応じた独自のルールを確立すべし。
家族全員の理解と協力関係を築くべし。
老親の扶養については同居する子夫婦だけでなく、すべての兄弟姉妹間で公平に保つ工夫をすべし。
老親扶養は、家族から地域へと広がる協力関係の創出に向かうべし。
すごくうなずける内容だと思います。さすが二世帯住宅研究所。
この7原則は、私達子供世帯夫婦だけがわかっていてはだめだと思います。
親世帯そして、子供世帯の兄弟姉妹まで周知、理解すべき内容だと思いました。
7原則をyumeyome家に照らし合わせると!?
1.選択の原則。
そもそも同居しなければいけないのか。どのような同居スタイルでも選択できる状態にあることが大切です。
親世帯も老いたし、兄弟姉妹は独身で、私達夫婦が最後は親をみなければいけないよなぁ。
ってな感じでしぶしぶ同居すべきではありません。
また、同居と言ってもそのスタイルは様々です。
二世帯住宅を用いた同居スタイルを以下に書き出します。
同じ建屋で、階を隔てて完全に各世帯が独立した間取りとする「独立二世帯」。
浴室や、玄関、トイレやキッチンなど、どれか一つでも共用して使う「共用二世帯」。
住居の設備をすべて共用する「一体型住宅」。
メインキッチンとサブキッチンを設け、基本的に完全同居でも、各世帯がくつろぐゾーニングがなされている「融合二世帯」。
などなど(書籍参照です。)
その他、私のくらす田舎に多いのが、敷地内に子供世帯の家を建てて、敷地内別居する「敷地内別宅同居」です。
これは完全な核家族ではなく、いつでも顔が見える距離感を保つことができ、頼りたい時にお互いを頼ることができます。
このような選択肢を知り、各家庭の状況に合わせて選択することが大切です。
うちは隣に市街地があります。
そこに土地を買って新築する魅力を感じず、それなら将来的に義両親を支えやすいように実家に入らせてもらうかという選択に至りました。
これが間違いだったのか、正解だったのか、未だわかりません。
2.相互尊重の原則。
相互尊重して、かつ生活に不干渉。
これはめちゃくちゃ大切なことです。
このことに関しては恐らく、親世帯との同居を考えるとき、子供世帯夫婦の義縁側配偶者は最も重要視していることではないでしょうか。その方は肉親親子よりもナーバスになっていることが考えられます。
各世帯の生活に対して尊重がなければ、同居生活は破綻します。
各々を生活に尊重する気持ちがあれば、
朝、昨夜の夕食の匂いがこもってて、こちらの部屋まで匂いが来てるよと、換気のお願いをしても、
換気扇まわしてるわ(怒) 臭うわけない!
と逆上したりはしないでしょう。
こっちは玄関がすでに臭っているので気になって仕方ないのですが笑
生活に不干渉ということも簡単そうで難しいようです。
私が同居している義両親は孫に関して、よく干渉してきます。
しかし、各々の生活に不干渉であるべきということは
知ってるわ!!
とのこと。
事例を紹介しますと、私が子を叱っている時によく横槍でついてきます。
といった感じで。
私も
おかあさんは、ちょっと黙って下さい
と遮断しようとするのですが、
黙っとれへんよ。それは無理!
という状態です。
うちでは子育て以外にもゴミ出しなんか影響があります。
分別がちゃんとされているか、義母が大まかに中身をチェックしているようです。
これは不燃ごみやから気をつけなあかんで
これが入ってたけど、捨てて大丈夫なの?
と、分別が誤っていたのは申し訳ないのですが、ゴミをチェックされているのって気持ち良くないです。
生活に全く不干渉というのも、私達子供世代では簡単に思え、義両親世代では難しいようです。
3.自立の原則
特に「経済的な自立」に関して注意が必要です。
これから同居される方は生活費を完全に世帯で分けることをおすすめします。
経済的に困っていない義両親との同居に限られますが、生活費を義両親分負担するのもストレスや疲弊の原因となりますし、義両親に経済的な支援をしてもらう場合、口答えしにくいことへの心労や、そのことを理由に自由を奪われるときが発生するかもしれません。
うちは生活費を完全に世帯で分けています。
4.世帯間ルール確立の原則
ルールは同居生活をスタートさせると自然に出来上がっていくことが多いようです。
うちのルールといえば、義両親の部屋へ行くときはノックをするとか、お風呂は共用しているので、お風呂最後の人は水切りをして、換気をしておくなどです。
この本にあるルールとはもっと大きなことだと思います。
光熱費は均等分けするとか、21時以降は世帯間を行き来しないとかでしょうか。
私が要望するルールは、世帯間に設置された扉にカギを設置し、20時以降は施錠することで子供が行き来できないようにすることです。
↓
子供が義両親の部屋へ逃げる
↓
子供に帰ってくるよう声をかける。
↓
義両親から「まぁえーやん。」と言葉を浴びる。
このパターンを防ぐための要望です。
5.家族協力の原則
家族の協力にすべてを頼ってはいけません。
家族全員がそれぞれの責務を全うした上で、困っている家族がいたらみんなで助けましょうという内容が本には書かれています。
これを読んで真っ先に思い浮かんだのが、義両親の高齢化問題です。
すぐに要介護の状態を考えるのではなく、要介護にならないよう健康的な生活を送り、できる限り要介護状態を防ぐ努力をするべきです。
それでも介護が必要になった場合、家族全員で支えていく。親世帯だけでなく、子供世帯、孫世帯にも当てはまる原則です。
普段気をつけているのが、孫世帯の世話を頼まないことです。「頼みすぎない」のではなく、
うちは「頼まない」のです。
義母が家事全般苦手ということと、少しでも頼ると、一瞬で
「今日はあの子たち(孫)みてたから疲れたわ。」
と義父の前で育孫コメントが発生するからです。
6.扶養分担の原則
これは親世帯が高齢化し、介護や支援が必要になった時、同居している家族だけでなく、別居している子供世帯の兄弟、姉妹にも協力をお願いしようというものです。
私の夫には妹が一人いて、車で30分のところに住んでいます。
義両親のことを大切に想っているのは伝わってきます。
義父が大怪我で入院したときの言動でそれは理解できました。
しかし、義妹には貯金がないようです。独身なので、将来義妹が高齢化したとき、恐らく私達夫婦がキーパーソンとなります。
独身だと、子供がいる夫婦よりも、一人あたりの老後資金は多く必要になるそうです。
高齢の自分を支えるために、普段の生活から社会的支援から全てにお金がかかるからだそうです。
義妹に対して、義両親の扶養に関する不安よりも、義妹自体を扶養しなければならなくなるのではないかという経済的な不安のほうが大きいです。
7.社会連帯の原則
困ったときは家族、親族だけではなく、社会にも頼ってくださいという心強い原則です。
親世帯の介護や配偶者に介護が必要になった場合など、今は社会福祉が充実しています。
ですから思い詰めず、社会に頼っていきましょう。
そのために今、高い社会保険料をはらっているのですから。
地域のサポートも頼りになります。
うちは田舎くらしですから、役場を中心に高齢者向けイベントなんかも充実しています。
むしろ子供向けイベントよりもイベント数が多いです。
ウォーキング大会やグラウンドゴルフ大会など、行政の予算が注入された地域のイベントを利用して、高齢化しても地域社会とのつながりを保つことが大切です。
まとめ
著書「二世帯住宅という選択」を読んで、その中にあった、親子同居の7原則を取り上げました。
古い本なのですが、2023年にも通ずる原則ばかりです。
この著書には「同居のメリット」も記載されています。
このメリットをフル活用するには、豊かで穏やかなストレスフリーな同居生活が必須です。
そんな同居生活は実際可能だと思います。
それには適切な知識が必要であり、この本を読むことで、その知識を身につけることができると感じました。
うちにとって最も比重が大きいのは
2.相互尊重の原則 です。
著書には、二世帯住宅で世帯間が完全に独立しているため(共用部分がない)義縁側配偶者と義母が顔を合わせたのは一ヶ月ぶりだったという事例も書いてありました。
いろんな意味でですが、羨ましく思います。
できればこの7原則、義母に読んでもらいたいと思います。
実際勧めてみますので、なにか面白い反応があればまた記事にして報告致します。
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